技術情報
ドクターブレード選定のコツ
「全ての印刷物に使えるドクターブレードを1種類選定してほしい」というご要望を良く頂戴します。
使い分けを無くすことで、より効率よく運用ができ、管理の複雑化を防ぐ目的で有効です。
その場合、一番条件の厳しい環境に合わせて選定を行いますが、どうしても印刷品質再現が難しいケースが出て参ります。
その場合にお勧めしているのが「目的別のドクターブレードの使い分け」です。
製版やインク種類、印刷ロット等、様々な条件に合わせて有効なドクターブレードを選定し、使い分けることで、より安定した印刷結果が実現できます。
問題解決の1つの方法として、ご検討をお願い申し上げます。
使い分けを無くすことで、より効率よく運用ができ、管理の複雑化を防ぐ目的で有効です。
その場合、一番条件の厳しい環境に合わせて選定を行いますが、どうしても印刷品質再現が難しいケースが出て参ります。
その場合にお勧めしているのが「目的別のドクターブレードの使い分け」です。
製版やインク種類、印刷ロット等、様々な条件に合わせて有効なドクターブレードを選定し、使い分けることで、より安定した印刷結果が実現できます。
問題解決の1つの方法として、ご検討をお願い申し上げます。
1ドクター種類の選定
- レギュラードクター(スチール SK-4相当 硬度580HV程度)
- 小ロット
印刷スピード低
印刷品質要求よりコスト優先の場合
版硬度が不明、借り入れ版、中古版使用の場合で硬いドクターが使えない場面
- コーティングドクター(硬度800~1000HV)
- 中ロット~大ロット
印刷スピード速
高い印刷品質要求に
版硬度が一定で管理されている場合(900HV以上推奨)
- QROWT(クロート)特殊合金ドクターブレード(硬度600HV程度)
- 金・銀・パールインキ専用に
2刃付け寸法やタイプの選定
刃先厚みの選定
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薄くすればインク切れ向上(カブリ対策に有効)
厚くすればインク切れを抑える効果(文字の頭飛び、かすれ等に有効) |
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刃巾の選定
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1.3mmが標準。長くすることで振動吸収性が向上、長すぎるとカブリ易くなるデメリット(腹掛けになる)
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ドクター形状
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平行刃
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摩耗しても接触面積は変わらず、インク切れが落ちにくい あらゆるケースで対応可能な万能型
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傾斜刃
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コシが強く、しなり難い形状。ドクター圧高めでも使いやすい。しっかりドクター圧をかけて使う場合に有効。
摩耗すると接触面積が増えてインク切れが下がるデメリットがあり場面を選ぶ |
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半傾斜刃
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平行刃と傾斜刃の中間形状
刃の根元部分は傾斜刃に近く、コシがあり圧をかけてもしなりが少ない 刃先部分は平行刃になっており、薄く厚みも一定でインク切れもよい 刃先から0.5mm程度が使用可能領域で、そこから先は傾斜がついているため 根元まで摩耗させるような使い方には向かない |
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Vカット
(ベベル) |
平行刃の先端部分に面取りを加えて、鋭くしたインク切れ改善目的の特殊形状
★印刷開始時のインク切れ向上やアイドリング時間の短縮 ★圧胴汚れの改善 ★印刷開始時と印刷中の色の濃淡変化の低減 ★印刷品質の向上 カブリ対策に ★高速印刷で、インク切れも同時に求められる場面で有効 |
3コーティングの種類の選定
高い印刷品質要求があり、スチールが使いにくい場合ではコーティングドクターを選定する。
版硬度や印刷ロット、色により被膜種類や膜厚、硬度を使い分ける
版硬度や印刷ロット、色により被膜種類や膜厚、硬度を使い分ける
- 【ネオファイン】硬度700HV~
- 版硬度が低い、もしくは借入版、支給版で硬度不明な場合に選定
ショートロットで、なじみ易さを優先する場合に選定
スチールだと印刷品質に不安があり、Nセラでは硬すぎる場合に選定
- 【セパセラ】硬度900HV~
- Nセラを刃先部分(約10mm)のみに施した製品
金網痕のない優れた平坦性 性能的にはNセラと同等品
- ★推奨品 【Nセラ】硬度850HV~1000HVで自由に選定
- 膜厚は5μm~20μm
硬度は850~1000HVまで選定が可能
★日本のグラビア現場で数多く選ばれている実績のある皮膜です★
★オーダーメイド カスタム自由 ご要望に合わせて製作致します
★コスト面でも優秀
ドクターブレードの仕様選定の目的は何か選定した製品のメリット、デメリットをしっかりお客様にご説明し、ご納得頂く事を大切にしております。
ドクターブレードの型番には、製品の仕様情報が詳細に記載されております。
表示のルールはメーカー毎に異なりますが、概ね意味するところは同じとなります。
ここでは当社のドクターブレード型番の意味をご説明いたします。
仕様の構成要素は以下の通りです。
母材メーカー、被膜種類、被膜厚み、被膜硬度、板厚、板巾、刃付け寸法、片刃両刃の種別、特殊形状の有無 等
これらが型番から読み取れると、どんな目的で、どんな印刷に強いか、どんなトラブルが出やすいかが予測しやすくなります。
表示のルールはメーカー毎に異なりますが、概ね意味するところは同じとなります。
ここでは当社のドクターブレード型番の意味をご説明いたします。
仕様の構成要素は以下の通りです。
母材メーカー、被膜種類、被膜厚み、被膜硬度、板厚、板巾、刃付け寸法、片刃両刃の種別、特殊形状の有無 等
これらが型番から読み取れると、どんな目的で、どんな印刷に強いか、どんなトラブルが出やすいかが予測しやすくなります。
レギュラードクター

①素材厚み
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0.15mm
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= 鋼材厚み 0.15mm
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②素材巾
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50mm
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= 鋼材巾 50mm
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③刃付け仕様
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1360S
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= 13=刃付け巾 1.3mm
60=刃付け厚み 60μm S=片刃(両刃=W) |
コーティングドクター

①被膜種類
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Nセラ
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= ニッケル・リン・SiC複合メッキ被膜ドクターの商品名
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②メッキ厚み
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10μm
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= 表裏の両面に10μmの被膜厚み
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③素材厚み
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0.15mm
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= 鋼材厚み0.15mm
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④素材巾
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50mm
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= 鋼材巾 50mm
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⑤刃付け仕様
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1350S
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= 13=刃付け巾 1.3mm
50=刃付け厚み50μm S=片刃(両刃=W) |
⑥メッキ硬度
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930HV
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= 930ハードビッカース
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